ダブルシールドケーブルの製作
Cable Linksのオーディオケーブルは、ノイズを徹底排除したダブルシールドを基本コンセプト
に製作された高音質プロフェッショナルケーブルです。
今回はJAZZリスニング用に、ダブルシールドケーブルを製作しましたので紹介します。

RCAピンプラグでアンバランス
タイプの R・L100cmペアを製作
します。
材料
ケーブル mogami2534
100cm 2本
電磁シールド 3M DS-7
110cm 2本
チューブ TGK エスロンC
94m 2本
ジャケット 品川商工SF-3
150cm 2本
100cmの仕上がり条長でも、各々の材料 の長さが異なります。
特にジャケットは1.5倍必要です。

RCAピンプラグは「世界最強水準
を極めたZAOLLA」ケーブルで採用
されている プラグを使用しました。
このプラグはコレクトチャック方式の
ピン プラグで、接続後チャックを締め
つける ことにより、確実導通が得ら
れます。
また、このタイプのプラグは製作が
簡単な反面、ケーブルの固定と空
洞部分が 広いので、コネクターの
鳴きを如何に抑 えるか が高音質
のポイントです。

ピンプラグのケーブル挿入口の径
を 測定します。
直径8mmです。
市販のケーブルは、付属のビス
のみでケーブルを固定しているの
が多いですが、 強い引っ張りに
耐えられません。
この部分がケーブルの一番の
ネックです ので、乱暴に扱っても
壊れないのが、プロ 仕様です。

ピンプラグの全長は50mm、
重量は一個25gです。
ZA0LLA のピンプラグは三層
金メッキで品質は良好です。
同じようなタイプのピンプラグが
種々販売 されていますが、粗悪
品もありますので、購入するとき
は注意が必要です。
私は以前一個21gの粗悪品を
購入して 後悔したことがあります。

ケーブルはレコーディング・リファ
レンスケーブルとして定番の
mogami2534を使用します。
直径6mmです。

ケーブルジャケットはマイクロホン
ケーブル用の柔軟なフレキシブル
PVCが使用されています。
端側より15mmdジャケットを
切り取ります。切り取ったジャケ
ットは後で使用しますので、捨て
ないでください。

mogami2534は、4芯バランス・
カッド 構造で電磁ノイズのキャン
セリング効果 に優れた効果が
あります。
今回のケーブルのシールドは
片側グランド構造としますので、
こちら側のシールドは切断します。
シールド線は0.12mm73本です。

ニッパでシールド線を切断します。
少しでもシールド線が出ていると
片側グランドになりませんので、
丁寧に 細線を除去してください。

丁寧にシールド線を除去しても、
ケーブル使用する時の屈曲で
シールド線が押し出されてきます。
押し出し防止のため、最初切り
出したジャケットの切れ端を3mm
切断して、芯線に挿入します。

カプトンテープで押し出し防止
ジャケットを固定します。
必ず耐熱性のあるテープで固定
してください。ビニールテープ等
では熱に 弱いため、使用できま
せん。

芯線の被覆は必ずケーブルストリ
ッパーを使用してください。
カッターナイフ等で皮むきしますと、
必ず芯線を切断します。
芯線は0.08mm30本です。
一本でも切断したらやり直しです。
青色HOT線は5mm、COLD線は
10mm皮むきします。
mogami2534の芯線皮膜は架橋
ポリエチレン絶縁体ですので、ハン
ダの熱で溶けません。
これは製作する上で非常に助かり
ます。
また電気特性もビニールより数段
優れています。
芯線の青色と白色を各々よじり、
バラけ な いように予備 ハンダを
します。
ケーブルに電磁シールドスリーブ
を被せ ます。
スリーブはケーブルと密着する
ように 何度も良くシゴいて下さい。
これが甘いと後でチューブが通せ
なくなり泣くことになります。
ケーブル端より35mmの位置で
テフロンテープで固定します。
プラグとシールドが接触しないよう
にしてください。
ケーブルの反対側はシールド
スリーブをケーブルより15mm
長く切断して、セロハ ンテープで
束ねます。
束ねた根本を細いドライバー等
を差し込み穴を開けます。
テフロンテープやカプトンテープ
は高価なので、このような品質に
関係ない箇所は安価なセロハン
テープを使って下さい。
またビニールテープは通線する
時に、チューブにくっつき大変な
ことになりますので絶対使用不可
です。
上で作成したダブルシールド
ケーブルをチューブに通す通線
ワイヤーを作ります。
市販の通線ワイヤーは太いので、
このような場合は細くて腰のある
ワイヤーが最適です。
LANケーブルの外被をむくと写真
のようなツイスト線が4対あります。
この中の1対を使用します。
0.5mm単線2本をツイストしてあり、
ちょうど良い腰があります。
通線ワイヤーをスリーブに開けた
穴に差し込み、引っ張っても外れ
ないように縛ります。
通線ワイヤーの反対側は、先端
を折り曲げエスロンCチューブに
通します。
エスロンCチューブは内径8mm,
外形11mm。
柔軟で屈曲・耐熱性に優れ、冬で
も市販のケーブルのように固くなり
ません。
透明ブルーのシースは光を当てる
と中の シールドが輝いて、幻想的
な美しさが あります。
チューブをケーブルに通線して、
これも 良くシゴいてシールドと
密着させます。
ケーブル端より35mmの位置で
テフロンテープで固定します。
ケーブルジャケットのSF-3をケー
ブルに被せます。
端はバラけないように、セロハン
テープを巻きます。
これもケーブルに密着するように、
良くシゴいてください。
ジャケットの上から耐熱ガラス
クロステープを巻きます。
プラグの内径8mmになるように、
調整します。
テフロンテープは熱に弱いので
使用しない方が良いでしょう。
また自己融着系のテープは
ブチルゴムのダンプがあり音質
に影響がありますので適してい
ません。
これで片側のケーブル加工は
終了です。
プラグのケーブル固定ビスを
緩めて、ケーブルをプラグに差し
込みます。
青色のHOT線はセンターピン
端子にハンダ接続します。
芯線と端子が密着するように、
圧着半田するのが高音質のコツ
です。
ハンダはケスター44です。
ハンダの音質変化は好みがあり
ますが、今回はジャズ系リスニング
を目的にしていますのでケスター
を使用します。
同様にCOLD線は、プラグ匡体に
ハンダします。
プラグにホットメルト充填の下準
備としてプラグをホットガンで暖め
ます。
これはホットメルトがプラグ内に
十分浸透させるためです。
プラグが冷えたままホットメルトを
充填すると、プラグ内に空間が出
来て、プラグ鳴きが生じて音質低
下に繋がります。
プラグを暖める温度は110℃位が
最適です。
あまり高温にするとハンダが溶け
るので注意が必要です。
放射温度計はこのような時、温度
測定が簡単に出来て便利です。
3Mホットメルトアプリケーター
でホットメルトをプラグ内に充填
します。
ホットメルトは色々用途があり
ますが、基盤の電子機器固定用
のホットメルトが電気特性的に
最適です。
市販のグルーガン等は接着
性能は良いが電気特性が悪い
ので、使用不可です。
このようにホットメルトをプラグに
上手く充填するにはかなり熟練が
必要です。
ホットメルトが固まらない時間
内で、プラグを上下左右回転させ
て、均一に充填します。
熱収縮チューブをプラグの根本
に収縮させて、片側は完成です。
もう一方側はシールドをグランド
させます。
こちら側もケーブル端より35mm
の位置でチューブをテフロンテープ
で固定します。
ケーブルジャケットSF-3を被せ
ます。
ケーブルジャケットをチューブ
の方に戻し ビニールテープで
仮止めしときます。
シールドスリーブに銅箔20mm
を 巻きます。
シールドスリーブを銅箔へ折り
返して、ケーブルシースを13mm
切り取ります。
ケーブルシールドも同様に折り
返します。
折り返したシールドの上に、また
銅箔を巻いて銅箔とシールドを
半田します。
ケーブルジャケットSF-3を伸ば
して、ケーブル方向シール用、
ケーブル製造番号シール用、
ケーブル識別用の熱収縮チュ
ーブを通しておきます。
またシールドグランド側はプラグ
内にケーブルジャケットが入らな
いので、ケーブルジャケット固定
真鍮リングも通して置きます。
これを忘れると、最初からやり直
しです。
またケーブルジャケットを戻して、
ビニールテープで仮止めします。
ケーブルをプラグに差し込み、
反対側と同様にハンダ上げ、
ホットメルト充填を します。
再びケーブルジャケットを伸ばして、
テフロンテープで固定します。
熱収縮チューブを収縮させ、真鍮
リング を締め込みます。
ケーブル製造番号をシールドグ
ランドプラグ側に透明収縮チュー
ブで取付ます。
信号方向シールは音源側がシー
ルドグランドプラグとなるように
取付ます。
ケーブルの方向はシステムに
より、一概に言えませんので自
分の耳で確かめて良い方向が
ベストです。
Rチャンネル側が完成しました。
もう片方のLチャンネルも同様に
製作します。
ケーブルテスターで導通テスト
します。
HOT線、COLD線、シールド線
とも OKです。
500Vの電圧を一分間印可して
絶縁抵抗試験をします。
HOT線、COLD線、シールド線
の各線間および大地(アース)間
を測定します。
すべての測定値は100MΩ以上
で絶縁抵抗もOKです。
市販のケーブルでシースが怪し
いものはこの試験で抵抗値が
低くでます。
エージング装置でエージング
します。
音源は一番下の業務用CDデッキ、
TASCAM CD-401です。
このCDデッキは20年位使ってい
ますが、一度も故障なく現在も活躍
しています。
出力はRCAアンバランス、XLR
バランス同軸デジタルで各種ケー
ブルのエージングには便利です。
プラグの外径はmax.13.2mm
です。
プラグ取付部はmin.120mmの
スペースが必要です。
ラリー・フラー・トリオの「イージー・
ウォーカー」を試聴しました。
官能的なジャケットと同じように
中味もブルース・フィーリングの
濃い音楽です。
シャンソンの「愛の賛歌」がピー
ターソン ばりのバリバリ剛直に
弾くラリー・フラーのピアノ にかか
れば濃原音色、強力音力のCD
です。
酒をチビリ・チビリやりながら、久しぶりにこのCDを聴きましたが、思わずラリー・
フラーが目の前で弾いているような 臨場感に腰を浮かそうになりました。
自分で作った ケーブルという事を贔屓目で差し引いても、音質の良いケーブルで
あることは間違いありません。
パーツリスト
品名 | メーカー仕様 | 数量 | 単価 | 金額 | 購入店 |
| ケーブル | mogami 2534 | 2.0m | 190 | 380 | トモカ |
| シールドスリーブ | 3M DS-7 | 2.2m | 295 | 649 | スリートップ |
| チューブ | TGKサンロンC | 2.0m | 290 | 580 | TGK |
| ジャケット | 品川商工 SF-3 | 3.0m | 170 | 510 | 藤吉 |
| RCAプラグ | ZAOLLA RCG-1 | 4個 | 500 | 2,000 | サウンドハウス |
| テフロンテープ | 中興化成 SF-110 | 1.0m | 120 | 120 | 藤吉 |
| 耐熱ガラステープ | 3M 69J | 1.0m | 123 | 123 | ISM |
| カプトンテープ | 3M 5413 | 0.5m | 209 | 104 | ISM |
| 導電性銅箔テープ | 3M 1181 | 0.5m | 722 | 361 | ISM |
ハンダ・収縮チューブ 真鍮リング・ホットメルト | | 1式 | | 300 | |
合計 | | | | 5,127 | |
このページの最終変更日 2008年1月19日 午前 11:13:36